サポーターメッセージ 久高学さん

公開日 2015年09月30日

健康意識にも二極化傾向。病気の早期発見につながる、健診・検診の大切さを訴えています。

―――健康診断の受診率は全国42位。県民の健康意識が低い、ということでしょうか?

必ずしもそうではないと思います。テレビの健康番組や健康食品に関心を示す県民は少なくありません。問題なのは、健康を意識している人とそうでない人との 格差。よく二極化社会といわれますが、健康についても同じような傾向にあります。健康に関心のある人は病気に対しても備えができる。そうでない人、とくに 若年層の間で増えている肥満はメタボリックシンドロームにつながり、さまざまな生活習慣病を誘発する大きな問題です。

検診受診率

―――肥満は、近年クローズアップされていますが?

肥満の問題は10年前、20年前の過去の結果の現れだといえます。沖縄に1963年にファーストフード文化が入ってきて、肉中心の食生活になり、やがてレ トルトにインスタント、食事はチンして食べなさいよと、そういった積み重ねが原因にあります。手間ひまかける「お袋の味」は昔の話で、今は「お」が抜けて 「袋の味」でしょう。

―――栄養のバランスが大切ですね。

現代人は栄養不足、というと意外に聞こえるかもしれませんが、カロリー過多のいっぽうで、ビタミンなどの必要な栄養素が摂取できていない。野菜の成分を調 べてみると、ビタミンの含有率は昭和30年代に比べて3分の1に減っている。本来なら3倍の野菜を食べなければいけないのに、今我々が食べているのは、先 ほどもお話したような加工食品ばかり。食物ではなく食品だらけの生活です。ところで、食品を山ほど摂ると、ある病気になるってご存知でしたか?

久高学さん

―――一体どんな食品でしょうか?

食品の「品」という字を書いてみてください。その下に「山」を書いて、ヤマイダレをつける。ほら、「癌」という漢字になるでしょう。加工された食品ばかり を摂りすぎると、がんのような病気に罹る体質になりやすいから、野菜をはじめ食物をしっかり食べることが大切ということです。こんなジョークも交えなが ら、患者さんたちにお伝えしています。

―――健康ブームも定着した感があり、食への関心も高まっている。健康に気をつかうようになっているのに、自分の健康をチェックする健診・検診に足が向かない人が多いのは不思議な気もしますが。

すでにお話したように、健康に関心の高い方は日頃の生活も気をつけておられるし、健康診断もちゃんと受けている。いっぽうで、食生活に問題があり、健診・ 検診にも興味がない方たちを、今度どうやって引っ張っていくかが課題です。とくに、がん検診についていえば、受けたくない理由の多くに「もしもがんだった らどうしよう」という恐怖感があるようです。

―――健診・検診の大切さをわかっていただく、得策はないでしょうか?

私は、テレビ報道の役割にとても期待しています。たとえば、「24歳の花嫁」のような、ドキュメンタリーが放映された直後の1週間は、若い方が大勢乳がん の検診に訪れた。あるいは、著名なタレントさんが重い病気を克服した逸話にはとても励まされるし、説得力があります。こうしたマスコミの力も借りながら、 健診・検診の大切さを訴え続けています。乳がんに限らず、どんな病気でも、早期発見こそ治療への最善の道だからです

得々コラム

健康診断(健診・健康診査・人間ドック)は、一般的・全般的な健康状態を検査し、評価するものです。
がん など特定の病気の発見を目的としたものは「検診」と呼ばれます。健診・検診を受けない理由を聞いてみると、「健康だから受ける必要がない」「時間が ない」「まだそんな年齢じゃない」「結果が不安だから受けたくない」「検査は痛い。恥ずかしい」などがあげられました。「けんしん」は、病気の早期発見だ けでなく、日頃の健康状態や健康づくりの成果を確認するチャンスです。また、健康は自分だけではなく、家族や職場の財産です。健康で働き、長生きするため に、健診・検診を活用しましょう!

○生活習慣病予防などの健診を受けるには?

職場や市町村など各実施先(実施主体)へお問い合わせください。

○がん検診を受けるには?
市町村では、5種類のがん検診を実施しています。
職場でも実施しているところもあります。

健康診断もがん検診も、職場や市町村実施だけでなく、個人の希望により医療機関において受けることもできます(自己負担)。医療機関によって、メニューが違いますので、自分に合ったところを探してみましょう。現在、通院している人は、主治医にも相談してください。

検診を受けるには

情報収集してみよう!

国立がんセンターがん対策情報センター

日本医師会「健康の森」ホームページ健康診断の検査から何がわかるの?

女性のがんの講演会について

沖縄県は、女性のがんが多くなっています。
平成11年と15年の比較では、乳房・子宮がんの罹患率が大幅に増えています。
がん征圧月間(9月)の一環として、がん診療の専門医や患者会などによる講演会を予定しています。
2008年9月20日(土) 午後2時から沖縄市民会館にて

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